フェリア・デ・アブリルは、スペイン・セビリアで毎年春に開催される、色と情熱に満ちたお祭りです。この期間中、セビリアは伝統的な衣装、フラメンコ音楽、そして何よりも美食とワインにより活気に満ち溢れます。フェリアで味わえる料理や飲み物は、参加者にとってこのお祭りを忘れられないものにしてくれます。今日は、そんなフェリアで楽しめる代表的な食事と飲み物を紹介します。
セマナ・サンタは、キリストの受難と復活を記念し、多くの信者や観光客が集まる時期です。セマナ・サンタの期間中、各地でプロセッション(行列)が行われます。これらの行列は、様々な宗教団体(コフラディア)によって組織され、重厚で芸術的に装飾された聖像を街を通して運びます。これらの聖像は、キリストや聖母マリアを表しており、信仰の深さを感じさせるものです。
12月も中旬になると、世界のあちこちで、華やいだ装飾やイルミネーションが施され、マーケットがたち、クリスマスツリー点灯式のカウントダウンや有名百貨店のウインドー・ディスプレイに人だかりができます。 カトリックが今も主流のスペインらしい装飾と言えば、ベツレヘムでのキリスト降誕を再現したベレン (Belén) です。聖ヨセフ、聖母マリア、幼子イエスと、天使、東方の三賢王、羊と羊飼い、牛などの像を並べた、ミニチュアから等身大のものまである装飾です。
12月に入り、スペインでもホリデーシーズンの気分が盛り上がってくる頃、皆が話題にするのは、季節定番のお菓子や贈り物をどこで買うか?ということです。観光やグルメガイドのお勧めの店、パステレリア(菓子店)、グルメ食品専門店や有名百貨店のバスケットに詰め合わせたギフトセットの広告が、ニュースレターやソーシャルメディアに溢れます。 クリスマスはスペイン語でNavidad(ナビダ)と言います。トゥロン、ポルボロン、マンテカード、マサパンが、伝統的にこの時期に良く食べられるお菓子で、どれもアーモンドのお菓子ということが特徴です。ギフトセットのCestas de Navidad (ナビダ・バスケット) には、これらのスイーツと、イベリコハムやチョリソ(パプリカ入りソーセージ)、スペインワイン、オリーブオイル、チーズのケソ・マンチェゴなどを詰め合わせます。 アーモンドの産地 トップのアメリカとは大差があるものの、スペインは世界第二位のアーモンド生産国です。品質では、マルコナ種がアメリカ産の涙型のものより、丸みと厚みがあり、甘く苦みの少ない風味が良く、フランスや日本でもマルコナ種を指名して使う菓子職人がいる逸品です。また、マジョルカ種はIGP(地理的表示保護)に認証登録されています。そもそも、アーモンドを世界最大の産地カリフォルニアにもたらしたのは、18世紀のスペインの宣教師と言われています。 2月から3月頃、白く桜に似た花が、スペインの街中、郊外、野山のあちこちで咲き乱れているのを見ることができます。アーモンドの実は、9月から10月頃に収穫されます。 伝統菓子トゥロン 数あるアーモンド菓子のなかでも、トゥロンは人気があります。他の国で一般的にヌガーと言われる、皮を剥きローストしたアーモンドを、高温で練った砂糖、蜂蜜、卵白のメレンゲに混ぜ板状にした、とても甘いお菓子です。 トゥロンの種類 トゥロンには、ローストしたアーモンドを、しっかり煮詰めて練った砂糖、はちみつ、卵白と混ぜて、そのまま固めた硬い「duro」 (デュロ) と、その生地をミル(石臼など)で粉砕し、さらにミキサーで練り、成型した軟らかい「Blando」 (ブランド)があり、この2種類が一番伝統的で知られています。 「Duro」は、結構硬いのですが、乾いた、歯にくっ付きそうな生地を噛むと、中に丸ごとまたは半割で、ぎっしり散りばめられたローストアーモンドが、カリッ!と割れて、香ばしさを楽しめます。香草花のはちみつの風味も感じられます。いろいろな形にカットにして、皿盛りデザートやケーキのトッピングにも使われます。 「Blando」 は、しっかりと乳化され、凝縮したペースト状で、クリーミーな食感です。キャラメルのように硬めに粘りを引くことはなく、口の中で溶けます。ナッツの油脂分が高く、味わいは濃厚です。夏にはトゥロン味のアイスクリームも人気です。 ほかにも、マジパン(アーモンド粉と砂糖の生地)に、卵黄を練りこんだ 「トゥロン・デ・ジェマ」、やフルーツの砂糖煮を混ぜ込んだ 「トゥロン・デ・フルータ」、ココナッツを固めた 「トゥロン・デ・ココ」 などの伝統的なものと、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ入りや、ダークとホワイトチョコレートタイプがあります。 トゥロン発祥の地 トゥロンはスペイン全国で作られ、食べられていますが、地中海沿い南部のバレンシア州アリカンテ県で、1996年にIGP(地理的表示保護)に認証登録された 「I.G.P. Jijona (ヒホナ)」 と 「I.G.P. Turrón de Alicante (トゥロン・デ・アリカンテ)」 の2つの産地が特に有名で、ヒホナが発祥の地、とされています。 ヒホナとアリカンテは20キロほどの距離にあります。 「I.G.P. Jijona (ヒホナ)」 のトゥロンは、軟らかい「Blando」 で、「I.G.P. Turrón de Alicante (トゥロン・デ・アリカンテ)」 「duro」 です。 2つのIGPのトゥロンの原材料は、バレンシア州のアリカンテ、カステリョン、バレンシアから調達されます。アーモンドには、スプレマとエクストラの2つのカテゴリーがあり、原材料中のアーモンドの最低含有量が規定されています。軟らかいブランドのヒホナはスプレマが64%、エクストラが52%なのに対し、硬いドゥロのアリカンテはスプレマが60%、エクストラが42%と少し低い規定です。アーモンドの品種は、バレンシアーナ、マジョルカ、マルコナ、モジャール、プラネタ、ラルグエタ、が使われます。ヒホナの硬いドゥロのトゥロンは、表面を極薄のウエハースで覆います。 ヘーゼルナッツの円形のトゥロン 2022年6月には、3つ目のIGPとして、「I.G.P. Turrón de Agramunt (トゥロン・デ・アグラムント)」 が認証登録されました。 産地は、カタルーニャ州レリダ県ウルヘルのアグラムントで、ヒホナとアリカンテのあるバレンシア州同様に、地中海沿いで、その北部に位置します。 はちみつ、砂糖、卵白と、ヘーゼルナッツの塊で作るのが特徴で、マルコナ種のアーモンドが入いることもあります。ヘーゼルナッツとアーモンドの含有量の規定は、どちらも、スプレマが60%以上、エクストラが46%以上です。長方形のものに加え、円形のトゥロンが特徴で、丸い極薄のウエハースで挟まれています。 […]
スペインで街を歩くと、あちこちからにんにくとオリーブオイルの食欲をそそるなんともいいにおいが漂って来ます。にんにくは潰したり、薄切りやみじん切りにして、オリーブオイルに香りを付けたり、炒めたり、煮込んだりして、スペイン料理に最も多く使う香味野菜です。
スペインの食卓に欠かせないのが、白いんげん豆、ひよこ豆、レンズ豆、そら豆の煮込みです。涼しい地方で良く食べるのはもちろんですが、スペイン中の家庭、バル、伝統料理のレストランで食べられています。 豆はスペイン国内で栽培されています。ワインやチーズと違い、豆の産地や生産者を気にすることはあまり無いかも知れませんが、産地によって形、色、風味は違います。例えば、レンズ豆の皮の色は褐色、緑褐色、暗緑色、黒褐色があり、皮を剥いたものは黄色、赤橙色があります。