カテゴリー: スペイン料理

スペインのチーズ

スペインにはおよそ200種類のチーズがあると言われています。

世界を見ると、出所で統計の値と新しさに幅があり目安としてになりますが、年間生産量は、365-400種類のチーズがあるというフランスがおよそ190万トンで世界3位、スペインは20数万トンで約18位、日本は10数万トンで32位あたりに位置します (source atlasbig)。

1人当たりの年間消費量は、フランスが20キロ後半から30キロくらいで1位、スペインは約8キロで、EU平均の約20キロより少なめです。日本は2014年の2.2キロから増えてはいても、2021年は2.7キロですから(農水省)、スペインはその3倍近くのチーズを食べています。

スペインのチーズの歴史

新石器、青銅器、鉄器時代の遺跡の発掘で、多くのチーズ造りの器具が見つかり、羊飼い、農民、庶民が自分で食べる粗野なチーズを作っていたと思われます。中世には、余れば村人や、北西部のサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂を目指す巡礼者に売りました。1970年代、大手の乳業メーカーが大都市へ供給するため、チーズの工業製品化を進め、村で職人が作る伝統的なチーズとは違う製造・流通が始まりました。チーズの消費は拡大しましたが、模倣品が増えて、土地ごとのチーズの個性は曖昧になりました。重労働で、低収益の羊飼いや農家が仕事をかえ、村のチーズが消えました。2000年頃、国の経済発展で美食のトレンドが大きく変わり、職人製のチーズへの回帰が起こりました。伝統的なチーズを継ぎ、模倣品と区別するために、DOP(原産地名称保護)とIGP(地理的表示保護)制度に力を入れました。2021年末に認証登録がある、202食品目で(ワインなど飲料は別分類)、オリーブオイルの31(15.3%)に次いで、29のチーズは2番目に多く(14.4%)、重要な食文化です。

若い職人たちが途絶えたチーズを復活させ、新しいチーズを生み出しています。地方のチーズのコンテストも盛んです。

スペインのチーズの特徴

原料乳は、牛乳、羊乳、山羊乳があり、他の生産国より、羊乳のチーズが多く、2~3種の混乳のチーズは珍しいです。地形と気候によって、17州の乳種が違います。 羊乳と一言で言っても、羊の種が違えば味わいも違います。羊は原産種のマンチェガ、メリナ、ラチャの他、カステジャーナ、チュラは乳量が多めで、アルカレニャ、カナリア、ギラ、モンテシナ、リポセジャ、タラベラナ、と言う種がいます。

ブルーチーズは、北部沿岸のアストゥリアスとカンタブリアの、自然の洞窟で作られ、場所が明かされていない洞窟もあります。カスティーリャ・イ・レオンと合わせて3州のみです。

腐敗防止のためや、地元食材を活かすため、外皮にオリーブオイルを塗ったもの、パプリカパウダーをまぶしたもの、赤ワインに漬けたり、生地に加えたもの、などのチーズにスペインらしさがあります。

チーズと気候と土地環境
Copyright: Wine Scholar Guild

フランスのナポレオン1世の「ピレネーを超えればアフリカ」、と言う言葉は有名です。フランス革命で、王座と命を奪われたルイ16世も「ヨーロッパと呼んでいいのはピレネー山脈まで」と言ったそうです。確かに標高3,000メートル強のピレネー山脈の南沿いは降水量の少ない山岳地帯で、牛が生息、移動するのも、牛の餌である牧草が生えるのも厳しく、その気候と地形に適合できる山羊や羊が主な家畜になりました。 夏は暑く冬は寒い内陸部の平原は乾燥地帯で、ほとんどの家畜が羊です。

カンタブリア海に面する北部と大西洋にも接する北西部は、降水量が豊富なスペイン最大の牧草地 「緑のスペイン」で、牛の牧畜が可能で、ほとんど牛乳製チーズです。

イスラムの歴史が残したもの

2人のフランス人の言葉の意味は、スペインは711年から1492年まで700年以上、衣、食、建築、医学で、アラブ・イスラム文化の影響を受けたことにもあります。豚肉を食べない生活の糧は、羊料理、羊乳のチーズ、羊毛で、イスラム教徒を追い出したキリスト教徒に引き継がれました。

DOP(原産地名称保護)とIGP(地理的表示保護)

スペインで作られている約200種類のチーズの、26がDOP、3つがIGPです。 

最初の認証登録は、ナバラ州のロンカルで、1981年にスペイン国内のDOを取得、1996年にEUのDOPへ移行しました。1988年の7つから徐々に増え、2000年頃から加速して2005年に24になり、少しずつ増えています。最新では、2020年2月にカスティーリャ・イ・レオン州の羊乳の、Queso Castellano がIGPになりました。現在、エストゥレマドゥラの Queso Acehúche がDOPに申請中です。

29のDOP・IGPチーズは、国内全生産量の一部で、伝統的な製法や規定を厳密に守りオリジナリティがあることを示すものですが、それ以外のチーズにもすばらしいものがあります。

17州のDOP・IGP チーズ

全てのDOPとIGPチーズの写真と生産州が上の図で見られます。番号は下のリストと同じです。17州のうち、アラゴン、バレンシア、マドリッド、アンダルシアの4つの州には、認証登録がありません。2つは2州にまたがり、IGP Queso Los Beyos は、アストゥリアスとカスティーリャ・イ・レオン、DOP Idiazábalは、バスクとナバラ州の両方で作られています。

北西部ガリシア地方は牛乳製チーズの王国で、他の州では羊乳が多く、山羊乳、牛乳との混乳も多いです。

(1) ガリシア:4

① DOP Arzúa-Ulloa 牛乳

② DOP Cebreiro 牛乳

③ DOP Queso Tetilla 牛乳

④ DOP San Simón da Costa 牛乳

(2) アストゥリアス:4+1 

⑤ DOP Afuega´l Pitu 牛乳

⑥ DOP Cabrales 牛、羊、山羊の混乳

⑦ DOP Gamonedo 牛、羊、山羊の2種または3種の混乳

⑧ DOP Queso Casín 牛乳

㉘ IGP Queso Los Beyos (カスティーリャ・イ・   レオンと共通) 牛乳、羊乳、山羊乳、混乳はしない

(3) カンタブリア:3

⑨ DOP Picón-Bejes-Tresviso 牛、羊、山羊の混乳

⑩ DOP Nata de Cantabria 牛乳

⑪ DOP Quesucos de Liébana 牛、羊、山羊の2種または3種の混乳

(4) バスク:0+1

⑫ DOP Idiazábal  (ナバラと共通) 羊乳

(5) ナバラ:1+1

⑬ DOP Roncal 羊乳 

⑫ DOP Idiazábal  (バスクと共通) 羊乳

(6) アラゴン:なし

(7) カスティーリャ・イ・レオン:3+1

⑭ DOP Queso Zamorano 羊乳

㉗ IGP Queso de Valdeón 牛乳と山羊乳の混乳

㉙ IGP Queso Castellano 羊乳

㉘ IGP Queso Los Beyos (アストゥリアスと共通) 牛乳、羊乳、山羊乳、混乳はしない

(8) マドリッド:なし

(9) カタルーニャ:1

⑮ DOP Queso de L´Alt Urgell y la Cerdanya 牛乳

(10) エストゥレマドゥラ:3

⑯ DOP Queso de la Serena 羊乳

⑰ DOP Queso Ibores 山羊乳

⑱ DOP Torta del Casar 羊乳

(11) カスティーリャ・ラマンチャ:1

⑲ DOP Queso Manchego 羊乳

(12) バレンシア:なし

(13) ムルシア:2

⑳ DOP Queso de Murcia 山羊乳

㉑ DOP Queso de Murcia al Vino 山羊乳

(14) バレアレス諸島:1

㉒ DOP Mahón-Menorca 牛乳

(15) カナリア諸島:3

㉓ DOP Queso de Flor de Guía / Queso de Media Flor de Guía / Queso de Guía 牛、羊、山羊の混乳

㉔ DOP Queso Majorero 山羊乳、15%まで羊乳を混乳可

㉕ DOP Queso Palmero / Queso de la Palma 山羊乳

(16) リオハ:1

㉖ DOP Queso Camerano 山羊乳

(17) アンダルシア:なし

チーズを買う

工業製のチーズが多く出回るようになってからは、パックされたチーズをスーパーで買うこともできますが、スペインでチーズを買う良い方法は、メルカド(市場)や、コルマド(古くからある食料品店)、コルテ・イングレスのデパ地下グルメでの、職人製チーズの量り売りです。

スペインの都市では、地区ごとに常設の屋根付き市場があり、市民の台所です。肉、魚、卵まで沢山の専門店が入っていて、野菜や果物はばら売り1個から買えます。チーズ屋もあり、種類を豊富に取り揃えているので、何種類かを買いたいときも、好きな量ずつ切ってもらえます。

この10年ほど、マドリッド、バルセロナをはじめスペイン各地で、古くなった市場が次々リニューアルされて明るくなり、利用客が増えています。おしゃれに生まれ変わった市場内のバルで、チーズとピンチョスをつまんで、スペインワインとビールを飲むのが観光客にも、うけています。

クラシックな店構えのコルマドは、街のあちこちにあります。厳選したワイン、オリーブ、缶詰や瓶詰め、ビスケットやマドレーヌが、ところ狭しと棚に積み上げられていて、白衣の店員さんが取ってくれます。チーズは香り、味の好みでお勧めをしてくれるので、生ハム、総菜と同様、買いたい量を言って買います。

最近、マドリッドやバルセロナでは、パリにあるような、チーズ専門店が増えています。沢山の種類のチーズが積まれたディスプレイが目を引くモダンな店内で、テイスティング・イベントをして、職人の作るチーズを積極的にアピールしています。

チーズの食べ方

スペインの一人当たりのチーズ消費量は、ヨーロッパの中ではそれほど多くないですが、日本よりも手軽にチーズを食べています。ワインやシェリーのタパスとしてや、食事でデザート前に食べます。

ボカディジョ(サンドイッチ)、ブルーチーズのドレッシング、オーブン料理、お菓子にもします。朝食には、フレッシュチーズや薄く三角にスライスした羊乳のチーズを、蜂蜜やジャムと食べます。

スペイン産ナッツはとても上質で、アーモンドやくるみとチーズはよく合い、ヘーゼルナッツ、松の実入りのチーズのお菓子はとても美味しいです。

タイプ別では、熟成させていない、フレッシュチーズが国内の家庭消費の3割以上です。 

DOP・IGPに限っては、羊乳、ハードタイプのマンチェゴが、ユーロ換算の販売額で63%、販売量で53%と突出していますが、76%が輸出なので、スペイン国内の販売量は、生産量がマンチェゴの1/4以下ながら2位につける、単価が安く牛乳の風味が良い、ソフトタイプのアルスアウジョアと大差がありません。

ホテルの朝食のビュッフェで、牛乳よりやや香りの強い羊乳チーズが、生ハムやチョリソ(パプリカ、スパイス入りサラミソーセージ)と一緒に、沢山並んでいるのは驚きです。カリンを砂糖で煮詰めたメンブリージョが添えてあります。旅先の朝食で、地方特産のチーズを食べるのもスペインらしい楽しみ方です。

海外輸出

スペインのチーズの輸出比率は高くありませんが、29のDOPとIGPチーズに限ると、2021年のユーロ換算での輸出の割合は、51.3%で、国内消費を僅かに上回ります。

日本には15種類くらいが少量で輸入されています。専門店で買えるので、カリンを砂糖で煮詰めたメンブリージョも買って、はちみつ、ナッツ、オリーブと一緒に家で楽しんだり、スペインバルやレストランでは、マンチェゴやイディアサバル、ブルーチーズのバルデオンが食べられるので、ぜひスペイン産の赤ワインやシェリーと味わって下さい!

トルティジャ – じゃがいものスペインオムレツ

スペインを代表する料理と言えば、パエリャガスパチョ、トルティジャ、があがります。中でも、トルティジャは、日常的に食べている国民食でしょう。どこのバルにも朝・昼・晩にあり、出来立ても、冷めても、美味しいです。美食評論家たちは、スペイン伝統料理のシンボル、食文化のアイコン、宝石と言い、トルティジャを使ったことわざがいくつもあります。1999年からは、美食の地サンセバスチャンで、トルティジャ・チャンピオン大会が開催されています。ソーシャルメディアでは、トルティジャ・クラブなるものに毎日、自慢の写真やレシピがアップされています。

トルティジャとは

材料は、じゃがいも、卵、E.V. オリーブオイル、塩です。玉ねぎを入れるか入れないかは、家庭、料理人の間で、意見が分かれます。真丸く、2.5~4センチくらいの厚みがあり、どっしりとしています。スペインの有名シェフ達は、新鮮で良い材料を使うこと、火入れに気を配りゆっくりと焼くこと、を強調します。 卵液が少し残るjugoso(ジューシー)の状態のものが多いですが、もう少し焼いたものもあります。

基本のトルティジャ

<材料 直径25㎝>

  • じゃがいも                                  750g / 中6個
  • 卵                                                8個
  • E.V.オリーブオイル                               200~300ml
  • 塩                                                適量

<作り方>

  1. 洗って皮を剥き、2~3ミリに薄く切ったじゃがいもを、焦げ付かないフライパンに入れます。
  2. E.V.オリーブオイルを注ぎ、中火にかけ、じゃがいもが油分を含み軟らかくなるまで、「煮る」ようにゆっくり火を入れます。
  3. 余分な油はへらで押さえてしぼります。
  4. ボールで卵を良くほぐし、じゃがいもを加え、へらで軽くつぶすように合わせ、塩を混ぜ、1~2分馴染ませます。
  5. 焦げ付かないフライパンに流し込み、弱~中火にかけ、円を描くように揺するとすべるようになったら、フライパンより少し大きい皿、または*木製で片側に取手の付いた専用の蓋を被せて、上下を返し、中身を皿に移します。
  6. じゃがいもと卵を皿からすべらせてフライパンに戻し、ゆっくり火にかけ、裏面もすべるようになり、軽く色が付くまで焼きます。
  7. 皿をフライパンに被せ、ひっくり返して盛り付けます。

※ 玉ねぎを入れる時は、薄切りにして、E.V.オリーブオイルで軟らかく、茶色く色付くまでじっくり炒め、じゃがいも、溶き卵と混ぜます。ピーマン、きのこ、ソーセージも合います。

※ 暖かいものには野菜のトマト煮込み、冷めたものにはマヨネーズ・ソースを添えても、美味しいです。

※ バゲットのサンドイッチにもぴったりです。

*木製で片側に取手の付いた専用の蓋

トルティジャの名前

トルティジャは、詳しく言うとスペインオムレツ (tortilla Española)、 じゃがいものオムレツ (tortilla de patatas)です。バターを溶かしたフライパンで溶き卵を寄せて半分に折り返し、真中が太く両端に向かって細いオムレツは、フランスオムレツ (tortilla Francesa) です。

メキシコのトルティジャは、とうもろこし粉を薄く丸く焼いた生地で肉、野菜、チーズを包んだタコスや、小さい三角形の生地を揚げたチップで、唐辛子とトマトのサルサや、アボガドのディップと食べます。

ヨーロッパでのじゃがいもの普及

大航海時代の1527年頃、南米ペルーからスペイン南部のセビリア港にじゃがいもがもたらされました。低温や痩せた土地に適合して、北部地方に栽培が広がり、高い栄養価が質素な食を補いました。 ヨーロッパ諸国にも徐々に広まったものの、フランスでは花が観賞用で、芋は毒性がある悪魔の食べ物と信じられ、食用になるのが遅れました。18世紀から19世紀は、じゃがいもの疫病の蔓延で飢饉が起こり、戦時中は穀物不足でパンの代用に食べられるようになりました。

じゃがいものトルティジャの起源

一世紀頃のローマ帝国時代には卵料理、16世紀初めには揚げた卵、の文献記述があり、この頃からスペインでもトルティジャという言葉が使われています。黄金世紀に食べられていた卵料理は、卵だけのオムレツや、ハーブ、ベーコン、チーズを入れたものでした。 じゃがいも入りトルティジャ誕生の、最も有名な伝説は、第一次カルリスタ戦争中(1833~36年)、スマラカレギ将軍が、北東部のナバラ地方で空腹を満たすために寄った質素な宿には、じゃがいもと卵しかなく、有り合わせでトルティジャが作られた、と言うものです。

丸ごとトルティジャの本

スペインで最も広く読まれている新聞 El País で、30年以上、美食ジャーナリストの、ホセ・カルロス・カペルさんの著書に、「Homenaje a la tortilla de patatas (じゃがいものトルティジャへのオマージュ(敬意)」があります。 295ページのハードカバー装丁は、卵の黄身の真黄色、帯は赤です(黄色と赤はスペイン国旗の色です!)。 トルティジャの伝統、じゃがいも、卵、オリーブオイル、塩について詳しく書いています。また、革新的な料理で世界をけん引するスペイン流に、トルティジャも進化していく、と強調しています。

カペルさんは、2003年から毎年、輝かしい受賞歴、料理アカデミーでの講義、コンクール審査員、著書、料理番組で、スペイン料理界に影響力のある、レジェンドと新進気鋭の料理人が、料理哲学、革新的技術、トレンドを語る 「マドリッド・フュージョン」 という美食イベントを開催しています。同年に出版した本には、当時フランスのミシュランガイドで、合わせて22の星を持っていた、12人のシェフが、トルティジャへの思いと、5つずつのオリジナル・レシピを寄せています。

キャビア、フォワグラ、トリュフや、既製品のポテトチップを使ったもの、茹でたじゃがいも、クリーム、オリーブオイルをミキサーにかけ、サイフォンでエスプーマ(泡状)にして、炒めた玉ねぎ、サバイヨン(乳化した黄身)と、カクテルグラスに盛り付けた「脱構築トルティジャ」、薪火で薫香をつけたもの、など、シンプルで丸いトルティジャの概念を覆すものばかりです。

シェフ達のトルティジャ

フェラン・アドリア (エル・ブリ、1997年から2011年の閉店まで3つ星)

トルティジャの思い出は、幼少期の母親のトルティジャと、兵役時代のものです。 兵役の調理部で、週に一度、3,000個のトルティジャを同僚と焼くのが大変でした。一番高くひっくり返す競争が楽しかったです。エル・ブリで、スタッフがポテトチップでもできるのではと言った時は、まさかと思いましたが、薄い塩の味付けで試すと美味しくできました。

アンドニ・ルイス・アドゥリス (ムガリッツ、2000年1つ星、 2005年~現在2つ星) 

トルティジャの想い出は、数えきれないほどあります。材料は卵、じゃがいも、オリーブオイル、塩だけで、誰の経済的負担にもならず(まずいピザよりトルティジャを食べた方がいいのに!)、特別な道具も技術も要りません。トルティジャを食べている人たちの間には、会話と人の輪が広がりますが、それこそが社会だと思います。

ヒラリオ・アルベライス (スベロア、 2つ星)

卵料理で、最も日常的でスペインらしく有名なのは、間違いなく、じゃがいものトルティジャです。私は玉ねぎを入れます。料理人としての使命は、伝統的な材料に新しさを加え、ガラスの器で出すような洗練されたスタイルのトルティジャも生み出すことだと思います。でもやはり、山にハイキングに行った日の温かな夕暮れ時、木陰で小川に足を浸して涼んでいると、本当に!食べたくなるのは、伝統的なトルティジャで、それに一杯のシドラ (りんご酒) があれば満足です。

マルティン・ベラサテギ  (Martin Berasategi、1993年1つ星、1996年2つ星、2002年~現在 3つ星)

子どもの頃、スペインは豊かさとは無縁で、皆つましい生活をしていました。母親と叔母の気取らないレストランで、いつも興味深く見ていると、朝早くから働き詰めの労働者が、つかの間の休憩に食べるのは、トルティジャでした。食べ疲れない優しい味、労働の活力源の炭水化物と脂質が豊富で、安くて、良い事ずくめですから。休日の夜には、寛いだ学生、年金生活者、カップルや夫婦が食べていました。私が最初に覚えた料理もトルティジャですが、私と母、叔母にとって大事なのは、豪華な料理や、ミシュラン的な流行よりも、労働者たちに心を込めて美味しいトルティジャを作ることでした。ずっと努力を続けているのは、私自身がそういうトルティジャを食べたいからです。

ジョアン・ロカ (El Celler de Can Roca、1995年1つ星、2002年2つ星、2010年~現在3つ星)

子供の頃、朝目が覚めると、トルティジャのいい匂いがしました。母と祖母が最初に教えてくれた料理もトルティジャです。2人の弟たちと調理学校にいた頃、朝食のパン・コン・トマテとトルティジャを、毎日生徒が交代で作って、ほかの生徒はその出来栄えを手加減なしにあれこれ言うので、当番の日は緊張したものです。

カルメ・ルスカジェダ (サン・パウ、1991年1つ星、1997年2つ星、2009年~2018年の閉店まで3つ星)

私の家の思い出のトルティジャは、季節の野菜や他の食材のものですが、間違いなく、じゃがいものトルティジャがスペイン料理の代表です。丸くてなめらかな表面の焼き色が光っている、トルティジャは誘惑的で、皆でフォークでむさぼるように食べていると、知らず知らず、どこのトルティジャが一番美味しかったかという話になります。その絶品を皆で食べに行っては、また分析して、褒めたり、けなしたり、議論になるのです。

日本でも

日本でピンチョスを拡め、2店(L’ESTUDI レ・ストゥディ、BIKINIチェーン店のBIKINI MEDIBIKINI PICARBIKINI 赤坂)がスペイン商工会議所の認定第1号となった、ジョゼップ・バラオナさんは、マヨネーズの本で、じゃがいもの他、きのこ、ほうれん草、パプリカピーマン、パカラオ(タラ)、えび、なすのトルティジャを紹介しています。 ぜひ日本のスペインバルやレストランで、トルティジャを味わってください!

スペインのパン – ボカディジョ、パン・コン・トマテ、エンサイマーダ

スペインのパン

スペイン料理で世界に最も知られているのは、パエリアでしょう。でもスペイン人は毎日、米料理を食べるわけではありません。パエリアは元々、週末に海や山で、あるいはお祭りの日に、昼食にわいわい食べるものです。米の生産量は、世界12位前後の日本の10分の1以下で40位くらい、30位あたりのイタリアの約半分です。 スペインの主食はパンです。

スペインのサンドイッチ、ボカディジョ

今も昔も、スペイン人のお弁当と言えば、ボカディジョです。スペインのバゲットやpan de barraという、長めのパンを上下半分に切って具をはさみます。定番は生ハム、羊乳のチーズのスライス、その両方、あるいは、じゃがいものオムレツのトルティジャです。トルティジャの上にグリルしたピーマンが入ることもあります。遠足のお昼は、ほぼ全員がアルミホイルに包んで親が持たせてくれるボカディジョです。中には板チョコが丸ごと挟んである子もいて知らないとびっくりしますが、バターとチョコレートとバリっとしたパンはすばらしい組み合わせです。ソーセージのスライスのボカディジョもあります。あらゆるジャンルのお弁当がある日本と比べると、シンプルですが、スペイン人は飽きないようです。

バルではテイクアウトもできます。30年ほど前、ボカディジョ専門チェーンの店舗が沢山でき、豊富なバリエーションが人気でしたが、バルのボカディジョがすたれる事はありません。

スペイン人は、朝早くにしっかり朝食を食べず、カフェ(コーヒー)だけか、それにクロワッサンや薄くて丸い素朴な(マリア)ビスケットというのが普通で、10~11時頃に15分の休憩Almuerzoをとり、クロワッサンやボカディジョを食べます。最近は、出勤前にカフェで新聞や、メールをチェックしながら、ボカディジョを食べている人の姿も見かけます。
パン・コン・トマテ

もう一つの、人気のパンの食べ方が、パン・コン・トマテです。 カンパーニュパンなどをスライスし、網やグリルで焦げ目がつくほどしっかり焼いて、半分に切ったにんにくの風味をつけます。熟した中玉トマトを横半分に切り、パンにこすり付けてジュースをしみ込ませます。E.V.オリーブオイルをたっぷりかけ、塩をふります。カタルーニャ地方で良く食べますが(カタラン語で「パントゥマカ」)、スペイン中で人気です。生ハム、チーズ、仔羊肉のグリル、小魚とホタルイカのフリット、米料理、何にでも良く合います。レストランやバルで、完成したものがでてくることもあれば、自分で作るように、グリルしたパンと材料が別々に出てくることもあります。初めてなら、まずお手本を見せてもらって、手作りのプロセスも楽しみましょう。 

パン・コン・トマテは朝食にもあり、特に南のアンダルシアとムルシア地方では、トーストしたパンの上に、すりおろしたトマトをスプーンですくってのせ、やや控えめにオリーブオイルと塩をふります。伝統的なやわらかくふかふかしたパンのモレテも好まれます。ホテルの朝食ビュッフェにも用意されていて、暑い夏の朝にもトマトの酸味が食欲をそそります。

バレアレス諸島・マジョルカ島のエンサイマーダ

もう1つの名物パンに、マジョルカ島のエンサイマーダ(Ensaimada)があります。棒状になった生地をぐるぐる渦巻き状にして、オーブンで焼き上げ、ふわふわとした生地に白い粉砂糖が美しくかかっていて、生地にはたっぷりとラードを使っています。

起源説はいろいろですが、イスラム、ユダヤ、キリスト教の文化の融合がその由来と思われます。アラブのお菓子で使われていた羊乳バターとオリーブオイルは、キリスト教徒の手においてラードにとって代わりました。1492年にアラブ王国が消滅した時、イベリア半島にとどまるためには、キリスト教に改宗をするより他なかったアラブ人や、ユダヤ教徒に、食することが禁じられていた豚の脂を使ったエンサイマーダを、踏み絵のように食べさせたという逸話もあります。

スペイン家庭での肉消費量の内、豚肉は生肉では鶏肉についで2番目ですが、生ハムやソーセージの加工肉の80%は豚肉で、全体では豚肉が約40%、鶏肉の30%を上回ります。外食もあるので、豚肉の消費はかなりの量で、豊富なラードが使われてきました。

プレーンのエンサイマーダの他、カベジョ・デ・アンヘル(Cabello de ángel、天使の髪、そうめんかぼちゃの甘煮)、生クリーム、カスタード、チョコレート入りの甘いタイプ、アプリコット入り、ソブラサダ (Sobrasada)という、マジョルカ特産でパプリカ入りのしっとりしたソーセージの塩味のものもあります。直径8cmくらいのもの、直径14cmくらいのものから、直径30㎝くらいの切り分けるものまであります。

エンサイマーダは、2004年にIGP (Indicación Geográfica Protegida、地理的表示保護)に、菓子パンの部類で登録されています。EUが規定した地理的由来の品質・評価・特性があり、生産工程の一部が、一定の地理的領域で行われている、農産物を保護する制度です。

登録対象は、プレーンとカベジョ・デ・アンヘルの2つのみで、詳細な形状の表現があり楽しめます。

エンサイマーダ・デ・マジョルカ : 詰め物なし、重さは60gから 2kg。

エンサイマーダ・マジョルキナ : エンサイマーダ・デ・マジョルカと同じ生地に、エンジェルヘア (そうめんカボチャの果肉を砂糖と煮たもの) が入ったもの。重さは 100gから3kg。

形状はどちらも時計回りに2回転以上の渦巻きであり、表面は波状、金色、しっかりとぱりぱりで、つぶれやすいです。内部は柔らかく、しっかり凝集性が高く、弾力性はとぼしいため、内部のパイ生地がしっかり確認できます。焼きたての生地には甘い風味と香りがあり、底はしっとり滑らかで、どちらも、粉砂糖を振って白くしても良いです。生産の地理的領域は、バレアレス諸島に属するマヨルカ島のすべての自治体が含まれます。

エンサイマーダの作り方

材料は、水、砂糖、卵、酵母、強力粉、ラードです。 卵と砂糖、水と酵母をよく混ぜ合わせしばらくなじませたら、強力粉を加え、手にくっつかないくらいの弾力がでるまでミキサーか手でこねます。オイルを塗ったボウルに入れ1時間ほど発酵させたら、オイル塗ったテーブルの上に生地を広げ、薄く伸ばし、ラードを塗ります。できるだけ薄くなったらくるくると巻き、布巾をかけ30分ほど休ませます。生地を引っ張り伸ばし、オーブンペーパーの上に、隙間を開けて渦巻き状に置きます。常温で15時間くらい発酵させ、約180℃のオーブンで20~30分焼きます。冷めたら上からたっぷりと粉糖を振りかけます。

スペインのパン事情

スペインの美食家で、30年以上、スペインで最も広く読まれている新聞 El País の食のジャーナリストで、Instagramに10万人のフォロワーを持つ、ホセ・カルロス・カペルさんは、スペインにはおよそ315 種類のパンがあると見積もっています。

北欧、ドイツ、オーストリアのように、冷涼な国では茶色いパンが多く、ピレネー山脈北側のフランスでは、全粒粉、ライ麦粉、他の穀物もよく混ぜられます。質の良い小麦が栽培できる南欧では、軟らかく軽い食感の白いパンが好まれましたが、栄養価は下がります。

スペインではずっと、特にフランコ政権の間、ライ麦、大麦、ソバ、全粒小麦のパンは「貧しい人々の食べ物」と見なされていました。スペイン固有で、普通小麦の最古の原種の、白を意味するCandealと言うデュラム小麦は、栄養価が高く、その小麦粉で作るパンの品質が、国内最高評価の小麦です。これらのことから、かつて、レストランやバルで出てきたのは、外皮はなめらかに乾いていて、中は白く柔らかで目の詰まった、素朴で混じりけのない味わいのパンがほとんどでした。健康的な食事への関心が高まると、全粒粉パンも作られるようになりました。

20年ほど前から、パン屋の仕事が機械化され、伝統的な作業が簡素化されていきました。自然の材料のみで職人が手作りするパンは、人工添加物を使用したパンより味も香りもはるかに強烈で、数日経っても柔らかく美味しかったのですが、そういうパンはなかなか食べられなくなり、スペインのパンの消費量は大きく減少しました。先述のCandealデュラム小麦は、収量が低く収益性が悪いため、高品質にもかかわらず姿を消しつつあります。

近年、そうした状況に危機感をいだく生産者の間で、地中海の伝統的なパン文化を立て直そうとする動きが顕著です。オリーブオイルやワインに大きく後れを取っている、IGP(地理的表示保護)保護地理的表示の登録をする地方が出てきて、現在6つあります。Pan de Cea (2005、ガリシア)、Pan de Cruz de Ciudad Real (2009、カスティーリャ・ラ・マンチャ)、Pan de Pagès Català(2013、カタルーニャ)、Pan de Alfacar(2013、アンダルシア)、Pan Gallego (2019、ガリシア)、Mollete de Antequera (2020、アンダルシア)です。

消費者は、サワードウ、薪のオーブンで、じっくり焼いたパンへの回帰と、無添加、オーガニックや亜麻のようなヘルシーなものを求めるようになっています。

もう一つのトレンドは、おしゃれなパン屋さんが増えていることです。パリに引けを取らないクロワッサンを作るパン職人が次々に誕生して、2008年には、スペインのベストクロワッサンのコンクールができました。バルセロナ市がスペインのシグネチャーベーカリーの新しい波の中心と目されています。

パン事情の変化が大きいスペインを、次に訪れる時は、パン屋さん巡りをして見てはいかがですか? 日本では、ぜひスペイン料理店のメニューにパン・コン・トマテがあれば注文したり、スペインの生ハムやチーズのボカディジョを作って、ピクニックを楽しんでください!

ガスパチョとサルモレホ

スペインの冷たいトマトのスープ

スペインで最もポピュラーな冷たいスープと言えば、ガスパチョです。

古くから伝わるトマトと野菜のスープですが、伝統的なレストランやバルだけでなく、モダンなレストランやカフェでも、メニューに載っているところがあります。デリではテイクアウト用の透明なカップに入れて売られていますし、スーパーやデパ地下で、牛乳のようにパック入りのものを買うこともできます。自分の家で料理するのも一般的です。

今や、世界中でその名前は知られるようになり、スペイン料理という枠を超えて、フランスや中南米などでも、オリジナルのガスパチョをレパートリーにしているシェフがいます。日本でも、検索すると、レシピが沢山出てきて、浸透ぶりがうかがえます。

スペイン映画から見えるガスパチョ

スペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の、30年ほど前の出世作 「神経衰弱ぎりぎりの女たち」 という映画の中で、ガスパチョが出てくる場面が3回あります。まずカルメン・ラウラ扮する、不安とイライラをかかえた女主人公が、マドリッドの自宅のキッチンで、雑にトマトを切り、出来たばかりのガスパチョをミキサーから、いきなりぐいっと飲むシーンです。 

そして、別の日に彼女の家に友人たちが集まっていると、事件が起こり、動揺した1人が、からからの喉をうるおそうと、あわてて開けた冷蔵庫にガスパチョを見つけ、これまた大きなピッチャーから直に一気飲みをするシーンです。

最後は、恋敵と捜査目的の2人の警察官が家に押し入って来て、彼らにガスパチョを振舞うシーンです。

この大胆さには圧倒されてしまいますが、実はこれは、スペイン人の生活の中でのガスパチョというものを、よく表しているかもしれません。 スペインの夏はとても暑い! ぐったりして、火を使う料理をするのは嫌だけれど、ガスパチョなら、トマト、きゅうり、ピーマン、玉ねぎ、にんにくを、水、オリーブオイル、酢と一緒にミキサーに放り込んで回すだけです。

仕事や子どもの送り迎えで時間がなくても、料理が面倒でも、短時間で作れる上、色の濃い野菜のビタミン、にんにくの滋養強壮効果、オリーブオイルの抗酸化作用などが得られます。 今で言う、地中海式ダイエットにも通じています。

招かれざる客に対してさえ、ガスパチョを振舞うとは、日本で言えば、お茶を出すような感覚の飲み物なのでしょう。 ガスパチョはレストランや自宅のテーブルに座って、スープ皿とスプーンで「食べる」ものとは限りません。コップで「飲む」ことができるくらいの、さらっとした濃度です。

そして、夜が更けるまで仲間とわいわい楽しむのがスペイン流で、長いスペインの一日の、栄養補給になります。

このような、手軽さと、スペインの気候風土にあった飲み口が、根強い人気の理由なのでしょう。

ガスパチョの起源

いろいろな研究を大筋でまとめると、古くはローマ帝国の時代に水に浸した古いパン粉のスープを食べる習慣がありました。イベリア半島で最後のイスラム王朝として、スペイン南部アンダルシア地方のグラナダを統治したナスル朝(1230年~1492年)の歴史的文書に、アラブ人がパン、油、酢だけのスープを野外で楽しんでいたと記されていました。イベリア半島の他民族の羊飼い、兵士、農民なども、乾いたパンを水に浸して手で潰し、にんにくを潰したものや、玉ねぎのみじん切り、油と混ぜて食べていました。

15世紀から始まる大航海時代の16世紀頃、中南米、特にメキシコとペルーから、トマトやピーマンの原種の唐辛子がスペインに入って来るようになると、それらも混ぜて食べました。

パンが焼かれたのはせいぜい週に1度くらいの時代には、パンは硬くなり、水分で柔らかくしなければ食べられなかったでしょう。大航海時代、アンダルシアの港湾都市セビリアが栄え、トマトやピーマンなど新大陸からの野菜はこの地にもたらされました。港町のウエルヴァや、コルドバ、マラガなどの周辺はワインの一大産地でしたが、当時はワインを安定化するのは難しく、酢(ワインヴィネガー)ができ多くあったと考えられます。そしてスペイン南部はオリーブの主要な産地です。

こうしてアンダルシア地方でガスパチョの原型が生まれたと言うのは、うなずけます。19世紀初頭には、質素ながら栄養価が高いガスパチョは、暑いアンダルシアの農民と日雇い労働者に欠かせないものでした。

以後、発展を遂げ、スペイン中で季節を問わず食べられる国民食になりました。パンはもはやメインの材料ではなく、入れずに作る、あるいはとろみをつけたい場合に少量入れる程度になっています。高級ホテルや星付きレストランなどでは、美しく盛り付けられたガスパチョが提供されています。

トマトの半分くらいの分量を、すいか、いちご、桃などの季節のフルーツに置き換えてつくるガスパチョのバリエーションも人気です。

もう一つの冷たいスープ サルモレホ

ガスパチョとよく似た冷たいスープにサルモレホがあります。ガスパチョと同様、生まれたのはアンダルシア地方ですが、特にコルドバと言われています。違いは、材料がパン、トマト、にんにく、E.V.オリーブオイル、酢、塩だけで、ピーマン、きゅうりや水を入れない事。パンをたっぷり入れるので、スープというよりも、もったりとしたピュレ状で、スプーンやパンですくって食べます。 サクサクに揚げた茄子にソースのようにつけて食べてもとてもよく合います。トッピングは、ガスパチョが、刻んだ野菜とパンのクルトンを添えるのに対して、サルモレホは刻んだ固茹で卵と生ハムを散らし、オリーブオイルを回しかけます。 

皆さんもぜひ、スペイン料理のレストランやバルで、食べ比べを楽しんだり、自分で食材やトッピングにアレンジを加え作ってみてください! ホームパーティーやイベントにもぴったりです。

ガスパチョのレシピ

<材料(3-4人分)>

完熟トマト                                   1 ㎏ / 8個

にんにく                                       1片

ピーマン                                    80g / 2個

玉ねぎ                                           40g 

きゅうり (皮を剥く)            80~100g / 1本

酢                                                 25g

E.V.オリーブオイル                     50ml

塩                                                 小さじ1

氷                                                 8個

冷水                                             200ml

<作り方>

  1. 洗ってざく切りにした、完熟トマト、ピーマン、きゅうり、玉ねぎと、皮を剥いたにんにく、ヴィネガー、塩をミキサーにかける。
  2. 氷を加えて再びミキサーにかける。
  3. E.V.オリーブオイルを加え、なめらかになるまでミキサーでまぜる。
  4. 好みの濃度になるまで、冷水を加えてまぜる。
  5. 冷やしたスープ皿に注ぎ、お好みで、E.V.オリーブオイルを回しかけ、サイコロ状に切ってトーストしたパンまたは揚げたクルトン、細かく刻んだトマト、ピーマン、きゅうり、玉ねぎを散らす。グラスでもOK。

※時間があれば、氷なし、水だけミキサーに入れ、ピッチャーで冷蔵庫で良く冷やしてもかまいません。 

※冷蔵で2日ほど、作り置き保存が可能です。

※トマトの皮などがざらざらと口に残るのが気になる場合は、湯剥きをするか、最後に目の粗いざるで、濾します。

※酢は、白ワインヴィネガーや、シェリーヴィネガーがあれば、よりフルーティーな酸味の仕上がりになります。

※パンを入れれば、とろみのある口当たりになります。パプリカ(赤・オレンジ)を入れてもOKです。

※トマトの分量の1/3から半分を、すいか、いちご、桃などの季節のフルーツに替えても美味しくできます。水分の多いフルーツは、水の量を調節して下さい。

サルモレホ

<材料(3-4人分)>

完熟トマト                                   1 ㎏ / 8個

にんにく                                       2片

パン (内側の中身だけ)        150g

酢                                                5g

E.V. オリーブオイル                    100gml

塩                                                 小さじ1

茹で卵                                            1~2個

生ハム                                             適量

<作り方>

  1. 洗ってざっくりと切ったトマト、皮を剥いたにんにく、酢、塩をミキサーにかける。
  2. 耳や外側のクラストを取り除いたパンを、適当な大きさにカットして、ミキサーに加え、なめらかになるまでまぜる。
  3. E.V.オリーブオイルを加え、更にミキサーにかける。
  4. ピッチャーなどの容器で、冷蔵庫で良く冷やす。
  5. 冷やしたスープ皿に盛り付け、E.V.オリーブオイルを回しかけ、サイコロ状に切ってトーストしたパンや揚げたクルトン、細かく刻んだ茹で卵と生ハムを散らす。

※パンは甘めのリッチな食パンなどよりも、油分の少ない素朴なパンが向いています。 

※硬くなったパンは、ざく切りのトマトと一緒にボールに入れ、しばらく置いてしっとりさせると、なめらかに仕上がります。

お家でも楽しめる!スペイン家庭の飲み物サングリア!

サングリアはもともとスペインの夏に欠かすことのできない飲み物で、スペイン南部のアンダルシア地方が発祥とされています。サングリアは、あまり状態の優れないワインや余ってしまったワインの活用方法として工夫したことから始まった飲み物とされています。

サングリアの歴史は意外と古く、2000年前にローマ人がイベリア半島にやってきた時までにさかのぼります。当時は飲み水にバクテリアなどの細菌が発生し安全に飲むことが難しい状況でした。そこで、アルコール飲料を水に入れてバクテリアを退治するという考え方が生まれます。その為、最初のサングリアは水とワインにハーブやスパイスと混ぜたものであったと言われています。

スペイン発祥パエリア(パエージャ) の基本をご紹介!

パエリアというと「黄色いお米の上に魚介がたっぷりのった料理」をイメージする方が多いと思いますが、発祥の街バレンシアでその写真を見せたら「本物のパエリアを知らない…」と一蹴される事でしょう。なぜなら、バレンシアの人々が食べているパエリアは大きく違うからです。
そもそも、パエリアはお母さんを休ませるために、お父さんが家族に作る料理として馴染んでいました (諸説あり)。「パエリア(paella: パエージャ) 」という言葉は、本来バレンシア語でフライパンを意味しており、バレンシア地方の外にこの調理器具を用いた料理法が伝わるうちに、調理器具よりも料理の名称としてスペイン人全体や他国民に浸透していきました。

オイルだけではない!オリーブの実を有効活用しよう!

オリーブとは?

銀色の葉に、ごくたまにハートの形をした「幸せの葉」が付くこともあるオリーブの木は、観賞価値が高く人気の観葉植物であり、オイルや実を取る作物用の木でもあります。

オリーブは、モクセイ科オリーブ属に分類される常緑樹です。原産地に関しては諸説あり、地中海沿岸、北アフリカ、シリアなどと様々な地域が起源とされています。乾燥に強い性質を持ち、現在でもスペインをはじめとする地中海地域で多く栽培されています。オリーブの品種は少なくとも500種以上のあるとされ、オリーブオイルに適した品種、栄養豊富な実をつけ塩漬けに適した品種、オリーブオイルも果実も共に活用可能な品種に分けることができます。

オリーブの実の収穫時期は?

オリーブの実は9~2月頃までの間収穫することができます。その中でも実の用途次第で、適切な収穫時期が変動します。オリーブの実は熟していくにつれ、果皮が緑色→赤色→黒紫色と変化することが特徴です。オリーブの実を塩漬けに使う場合は、9~10月頃に収穫される緑色の早熟な実が適しています。オリーブオイルに実を使う場合は、12月頃に収穫される完熟した黒い実を使用します。黒い実は塩漬けにも利用することが可能です。黒オリーブは早熟の緑色の実に比べて栄養価がより高く、まろやかな風味の塩漬けを作ることが可能です。

オリーブの実の種類は?

オリーブの実の本場スペインでは、地域ごとにその特性を活かした様々な種類のオリーブの実が収穫され販売されています。未だ日本において入手できるオリーブの実の種類には限りがありますが、ここでは有名な3種類をご紹介します。


・Gordal(ゴルダル): オリーブの実の中で最も大きな果実をつけ、しっかりとした風味を持つことが特徴です。

・Hojiblanca(ホジブランカ):  ゴルダルよりも固い果実を持ち、緑色と黒色の配合を持つ見た目が特徴です。

・Manzanillas(マンサニージャス): オリーブの実の中で最も小さな果実をつけ、形は丸くコロコロとしていることが特徴です。スペインでは一般的に最も多く消費されているオリーブの実の種類です。

オリーブの実の栄養価とは?

日本において近頃、オリーブオイルは一般家庭の食卓においても利用され、その知名度が上がってきています。オリーブオイルの栄養価については段々と知れ渡るようになってきましたが、オリーブの実についての知識は未だ浅いかもしれません。オリーブはオリーブオイルだけではなく、その実にも素晴らしい栄養効果があります。オリーブの実には、アンチエイジング効果のある栄養素が多く含まれています。オリーブオイルだけでなくその実にも、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは通称若返りの成分と呼ばれ、活性酸素の発生を抑え、身体のもつ自然治癒力を高めます。また、オリーブの実にはポリフェノールがたくさん入っています。ポリフェノールにも若返り効果があり、特に早熟のグリーンオリーブの実にはポリフェノールが多く含まれています。さらに、悪玉コレステロールを減らすオレイン酸も、オリーブオイルと同様に含まれています。ビタミンAと豊富な食物繊維も含有しています。

オリーブの実はどこで手に入れることができる?

自宅でオリーブの木を栽培して収穫することも可能です。しかし、もっと早く手に入れたいですね。その場合、現在はスペイン産のオリーブの実もオリーブオイル同様に輸入が促進され、街のスーパーでも簡単に入手することができるようになっています。また、通販サイトを利用することでより様々な種類の実を楽しむことができます。早熟の緑色のオリーブが一番一般的で手に入れやすく安価でもあります。黒オリーブはピザのトッピングとして日本においては既に馴染みがあるかもしれません。それらオリーブの色の違いだけでなく、パッケージには種ありか種無しか表記されているので必ず確認しましょう。種無しのオリーブの実にはアンチョビなど他の食材が種があったところに詰め込んで売られているものもあります。料理の用途などを考慮して最適なオリーブを入手してみてください。

スペインにおけるオリーブの実の位置づけとは?
本場スペインにおいてオリーブの実はAceitunas (アセイトゥナス)と呼ばれ、一般家庭の食卓には欠かすことのできない食材です。どの家庭にも必ずと言って良いほど蓄えられている食材で、長期保存が可能なオリーブの実の塩漬けは、日本の食卓に例えると、梅干しのような位置づけであるということができるかもしれません。簡単につまむことができ、お料理のトッピングにも、そのままお酒のおつまみにまでも利用できる、そんなオリーブの実はスペイン人にとっては大変身近な食材です。

イベリコハムは普通のハムとどう違う?スペイン伝統、イベリコハムをご紹介!

そもそも、イベリコとは何を意味するのかご存知でしょうか?
イベリコとはスペインとポルトガルが位置する「イベリア半島」を意味しています。
そして、スペイン語ではハム全体を『ハモン』(Jamón)と呼びますが、普段“ハモン”と言うと生ハムのことを意味することが多いです。そんなスペインの生ハムにもいくつか種類があります。

Ginza CAVA DISCOVERY WEEK #1開催!

11月1日から11月12日まで、東京・銀座に初の「CAVA DISCOVERY WEEK」がやってきます。12日間にわたり参加レストランで、スペインの伝統的なスパークリングワイン、良質なカヴァ(CAVA)が提供され、お客様はカヴァの素晴らしい世界に浸っていただけます。

一部のレストランでは、カヴァの最高ランクのワイナリーによる、特に高品質なカヴァもご提供させていただきます。

ここで少しカヴァの種類についてご紹介いたします。 Cava de Guarda Superior(カヴァ・デ・グアルダ・スーペリオール)にはReserva(18ヶ月以上)、Gran Reserva(30ヶ月以上)、Cava de Paraje Calificado(36ヶ月以上)の3種類があります。

スペインの泡!人と集まるこの季節にピッタリなカヴァ(スパークリングワイン)

カヴァはシャンパンと同じ伝統的製法で造られる、スペイン産のスパークリングワインのことです。スパークリングワインの中で、プロセッコとシャンパンに次ぐ販売本数があり、年間約2億4,000万本が販売されている世界3大スパークリングワインの1つです。

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